備前焼の七不思議

備前焼には、古来から「普通の器とは少し違った、不思議な効用がある」と言い伝えられています。こちらのページでは、そんな備前焼の不思議な効用をご紹介いたします。

1.備前焼で飲むとビールの泡がきめ細かくなる!

備前焼のビアマグや備前焼のビールジョッキでビールを飲むと、ビールをおいしく飲むことができます。 備前焼は主原料に干寄(ひよせ)という粒子が細かく収縮力の高い粘土を使っており、ガラス質のツルツルの膜を作るための「釉薬」を一切使いません。そのため、備前焼の器の表面に微細な凹凸ができ、その凹凸によってビールの泡がよりきめ細かい繊細でクリーミーな泡になります。さらに、きめ細かな泡は通常の泡に比べて消えにくいため、ビールを覆う蓋となってビールの麦の香りを逃しません。 備前焼のビアマグ・ビールジョッキでおいしいビールを味わいませんか?

2.冷たいビールは冷たく、熱いコーヒーは熱いままを長時間保つ!

備前焼の器は、内部が緻密な組織をしているので、比熱が大きくなります。そのため熱しにくく冷めにくいといった特徴があります。 備前焼のビアマグやビールジョッキでビールを飲むと、冷たいビールはぬるくなりにくく、最後まで冷たい状態で美味しくビールを飲むことができます。 また、温かいコーヒーなどを備前焼のコーヒーカップやマグカップで飲むと、冷めにくく、通常の器よりも長い時間温かい温度を保ちます。 このように備前焼の器は、とても保冷・保温性に優れているのです。

3.備前焼にお酒を入れて長時間おくとおいしくなる!

備前焼で飲むとおいしくなるのは、ビールだけではありません。 備前焼のぐい呑で飲む日本酒や、備前焼の徳利・お銚子で飲む焼酎、香りが大切なワイン、その他ウイスキー、ブランデー、シャンパンといったお酒にも最適です。 備前焼の器の内部には、微細な気孔があるため、通気性に優れるという特徴があります。その微細な気孔に含まれる空気によって、お酒の香りが立ちやすく、まろやかな味のお酒になります。

4.備前焼のお皿は料理の乾燥を防ぎ、新鮮さを保つ!

備前焼の食器は、他の焼き物の食器と比べて水分の蒸発力が弱いので、料理の乾燥を防ぎ、新鮮さを保ちます。 また、備前焼の食器は表面に小さな凸凹が多いため、食べ物が皿肌に密着しません。そのため食べ物が取りやすくなります。 さらに、自然で素朴な風合いの備前焼は料理を一層引き立て、食べる人の視覚も楽しませてくれることでしょう。

5.備前焼の花瓶に生けた花は長持ちする!

ビールがおいしくなるでも説明したとおり、備前焼はガラス質のツルツルの膜を作るための「釉薬」を一切使いません。そのため、備前焼の花瓶や一輪挿しの表面に微細な凹凸ができます。その凹凸によって微細な気孔と若干の通気性が生まれ、長時間生きた水の状態が保たれ、花が長持ちします。普通の花瓶や花器の中に、備前玉や備前焼の欠片をいれておくのも効果的ですが、備前焼の花器を使うとより一層お花が生き生きとします。 また、素朴でやさしい風合いの備前焼の花器は、脇役に徹し、そこに生けた花の魅力を最大限に引き出します。

6.頑丈で壊れにくい備前焼

普通、陶磁器を床に落とすと、すぐに割れたり、かけたり、ヒビがはいります。しかし備前焼は、釉薬をかけず素地のまま約2週間前後かけて1200度以上の高温で焼き締めるため、とても高い強度があります。故に、古くから「備前すり鉢、投げても割れぬ」と言われるようになりました。

7.備前焼は長く使うことで優しい肌触りになる!

はじめ、備前焼は表面の微細な凸凹により肌ざわりがザラザラとしています。しかし備前焼を長く使い込むと、備前焼特有の表面の微細な凸凹の角がとれて、肌触りがよくなります。備前焼の艶も出てくるため、長く使えば使うほど味わいが出るようになります。
協同組合 岡山備前焼陶友会より引用